ゼミと研究室の違いは何かご存知ですか?大学に通っている学生さんたちは、意味を理解して使い分けているのでしょうか? 「二つに違いなんてないんじゃない?」「同じ意味だと思って使っていた!」という人も多いのではないのでしょうか。でも、ゼミと研究室にはちゃんと違いがあるのです。二つの言葉の使い分けと、指している意味についてまとめました!
大学で、ゼミと研究室の違いって何?
研究室とゼミナール(通称ゼミ)、その違いは何なのでしょうか?
研究室とは。
研究室は大学で教授クラスの研究者が大学から与えられた部屋のことを指します。そこで必ずしも研究するとは限りませんが、その場で学生を指導することもできます。
元日にも関わらず研究室の明かりが灯る東京理科大学 pic.twitter.com/UXYJN91mRD
— 理科大の天使 (@Angel__tus2B) January 1, 2022
研究室はその教授の使い方によって雰囲気も変わります。きちんと整理されている研究室もあれば、書類や本で埋まっているような研究室もあります。
ゼミナール(ゼミ)とは。
大学で行う演習のことを「ゼミ」といいます。研究室を与えられた教授の指導の下で、学生がテーマに沿いながら自分の考えを展開させていくのが目的です。
有志の #宇宙物理学ゼミ です。
— りゅうや☆CosmicStory☆ (@pfx7ev) January 8, 2022
【毎週日曜20時〜】
次回は明日。#統合ゼミコミュニティ に移してから3回目になります。
当ゼミに参加した事のある方もない方も、統合ゼミコミュニティに未登録の方はDMください。ご案内いたします。 pic.twitter.com/bG00z76ZuP
卒業論文の発表などが例です。その教授の専門領域に沿ったテーマで卒業論文を書くことになりますが、演習が教授の理念などと学び、自分の考えを加えて論文を完成させるのです。
この二つの違いが分かれば使い方もわかる!
違う言い方をすると、「ゼミ」は制度、又は教育・研究システムとも言えます。そして「研究」は行為。そしてその行為の成果のことです。例えば専門科目として●●学(担当:A教授)を履修している場合、「Aゼミに出ている」「●●学演習を履修している」と言う場合もあります。4年生になって卒業論文の研究のためにある実験室に通って毎日研究する場合も「Aゼミ」「A研究室」「●●学ゼミ」「●●学研究室に所属している」と表現する場合もあります。自分が勉強してきたことを発表し、教授から研究のやり方や既存の成果を受動的ではなく能動的に勉強するのが「ゼミ」と言えます。研究室はその場所となる一つの部屋を指すことになります。
研究室で行われていること
大学の理系分野(医学や工学、理学、農学など)では、教授が研究室をもっています。研究室は別名「ラボ」とも言います。これは文系でいう「ゼミ」のようなものです。しかし文系とは違い、理系では実験をします。装置や薬品などを使って実際に行うのです。そのため、研究室にはいろいろな装置や設備があります。
若手研究者海外挑戦プログラムの採用内定を頂きました。
— Satotaka Omori | 大森 徳貴 (@SatotakaOmori) January 7, 2022
来年度からMITの合成生物学の研究室(Collins Lab)で老化細胞除去手法の開発を目的に研究させていただきます。
異国かつ異分野への挑戦、楽しみで仕方がないです。 pic.twitter.com/pL4wW2VLy0
各研究室には、教授の専門によって得意・不得意な分野があります。学生はどんな研究をしてもよいことにはなっていますが、得意な分野から研究テーマを選ぶことになります。それは、得意な分野の方が教授や他の学生もいろいろなノウハウを持っているからです。そのためお互いに協力しながら研究を進めることができます。大学によっても違いますが、文系のゼミは政治、社会や経済など約60~80種類くらいあると言われています。
どんな場所のことを指すの?
研究室のことを「ラボ」とも言いますが、これは英語の「laboratory」から来ています。教授や研究者の執務室であり、自然科学系の研究機関であれば実験室、そして学生のための実習室を同時に兼ねていることもあります。そして研究室のことを「ラボ」と呼ぶのは自然科学系の場合です。講座制となっている大学や短大、専門学校や研究所での「研究室」は研究者の私室でもありますが、その研究室に集まってくる講師や助手、大学院生までを含めた研究チームのことを言うケースもあります。●●教授の研究室であれば「●●研究室」と呼んだり、〇〇学研究室のように学問分野の名称で呼ばれることもあります。医学部の組織になると、その研究単位を言う場合は「〇〇教室」と呼ぶこともあります。
ゼミって何をする場所?
広辞苑によれば、ゼミとは大学の教育方法の一つであり、教員の指導の下に少数の学生が集まって特定の分野・テーマについて文献購読や発表・討論などを行うものと記載されています。言いかえれば、少人数で同じテーマについて研究する集団と言えます。
1月1日も修士論文で大学院に。ゼミ生は心の支えです。こんな経験、きっと一生に一度だろうな。
— 相内優香(テレビ東京アナウンサー) (@yuuka_aiuchi) January 1, 2022
お正月関係なくみんな頑張っています✊🏻
ビタミン大事🍊
論文は9章まで・・・果たして辿り着けるだろうか・・・😂😂😂😂😂 pic.twitter.com/IReX1u3z6t
一般的な講義であれば、教授の話を受動的に聞きますが、ゼミとなると教授ではなく学生が中心となって勉強をします。ゼミのことは「ゼミナール」とも言いますが、これは英語ではなくてドイツ語の読み方です。英語読みは「セミナー」です。ゼミに入っていないと就職に不利になるとも言われているようですが、そんなことはありません。就活の面接で、ゼミでの活動について聞かれることがほとんどないからです。企業の担当者が知りたいことは「ゼミに入っているかどうか。そこで何をしたのか?」ということではありません。「大学での生活でそんなことを頑張ってきたのか?どんな努力をしたのか?」そういうことなのです。ゼミに入っていなかったとしても、合否には関係ありません。ただし、ゼミに入らなかった理由については聞かれるかもしれません。その時には曖昧に答えず、他にやりたいことがあったなど具体的に答えることができるようにしておきましょう。