日本には20の政令指定都市があります(2022年現在)。しかし、東京都内の都市はひとつも入っていません。 東京都にはなぜ政令指定都市が一つもないのでしょうか?その理由が気になるため調べてみました。また、政令指定都市になった場合にはどんなメリットがあるのでしょうか?東京に政令指定都市がないのは条件を満たしていないことが原因なのでしょうか?政令指定都市になるための条件について説明します。
東京都にはなぜ政令指定都市が存在しないのか?その理由が気になる
東京都にはない政令指定都市ですが、人口について50万人以上の市であることという条件があります。ただ総務省では「人口その他の都市としての規模、行財政能力等において既存の指定都市と同等の実態を有するとみられる都市」を指定するとしているため、人口が50万人を越えていても指定されないこともあります。
札仙広福はその地方では都会というレベルではなくて政令指定都市であり人口が百万人以上いる大都市という時点で日本有数の大都市。
— 博多っ子純情大好き (@HAKATAmon2468) July 21, 2022
特に福岡市は名古屋市に次ぐ日本第四位の大都市だからさ。
東名阪と札仙広福を合わせて日本七大都市というのもあるな。
地理を知らない方は主観で物事を発言しがちな。
法令では、都市機能や行財政能力について規定はされていないようですが、政令指定都市(大阪市や名古屋市など)となった市では以下の用件を満たしているようです。
- 第1次産業就業者比率が10%以下である。
- 都市的形態、機能を備えている。
- 移譲事務処理能力を備えている。
- 行政区の設置、区の事務を処理する体制が整っている。
- 指定都市移行に関して県と市の意見が一致している。
東京都内であれば、八王子市や町田市であれば政令都市になれそうだと考えられますが、もしかすると5番目の項目にひっかっているのかもしれません。東京都は23区に人口が集中しています。合併などを行って政令指定都市に指定しようとまで考えていないのではないでしょうか?
東京都は昔は「市」だった?なぜ政令指定都市にはならなかった?
日本が戦時中は、実は東京23区で一つの都市「東京市(大東京市)」だったと言われています。しかし、あまりに大きすぎて効率的ではないということで、分割統治が始まったようです。その時の「区」は東京都の内部機関でした。そのため自治権がなかったのです。一時は区長の公選制も廃止され、1970年代半ばまでは公選区長が存在していなかったといいます。そのため統括する東京都によって多くの機能を制限されていたようですが、少しずつ権限を勝ち取り、拡大してきたという歴史があります。しかし、今でも一部制限されている機能があります。東京都の指示を仰がなければできないことが各市町村と比較すると多いのです。23区は東京都がないと予算を組みことができません。法人税も東京都に収められており、23区に再配分されているというのが実情です。
東京都23区は特別区
1947年、地方自治法で東京都23区は特別区となりました。
どうでもいいが好きな特別区TOP3
— 一太郎@京都行きたい (@1tarow) July 21, 2022
①台東区
下町が一番、上野浅草の景色は親しみがあり実家のような安心感。
②千代田区
神田、秋葉原、大好きな東京駅など魅力的な街が多くよい。
③中央区
歴史が感じられる。銀座は好きでよく行っていたし日本橋もいい。
地元はランクインならず😂
政令指定都市の要件と同じ人口、あるいは、同じ都道府県内での隣接している市町村も含めた人口が200万人以上であれば特別区になることができます。現在、全国の中で特別区は東京23区のみです。
なぜか政令指定都市がない東京都!政令指定都市になった場合のメリットとは?
新潟市は平成19年に政令指定都市となりましたが、その時は合併によるものでした。そのためメリットも多く、利用できる行政手続きの窓口が増えました。仕事で旧新潟市外から市内に通っている場合、以前は住んでいる市町村で証明書の発行や申請手続きをしなければなりませんでした。そのため、休みを取らなくてはいけないこともありました。しかし、政令指定都市になってからは、市内全域のどの区役所でも手続きができるようになりました。昼休みなどでも行けるようになったと喜ぶ人も多かったようです。また、政令指定都市になると、児童相談所の設置が義務付けられます。そのため保育園や小中学校を一括して管理することができるので、万が一何か問題があった場合でも情報共有がしやすくなりました。東京都の市が政令指定都市になった場合はメリットはまた違うかもしれませんが、地方都市にとってはメリットが多いといえるかもしれません。
政令指定都市と条件が違う「中核市」とは?
政令指定都市以外にも中核市という制度があります。以前は特例市だったのですが、2015年に廃止となったようです。2018年現在では54市が指定されています。では中核市になる条件はどうなっているのでしょうか?政令指定都市は人口50万人以上でしたが、中核市になる条件は人口20万人以上となっているようです。
政令指定都市:人口50万人以上
— じゅん | 読書好きPT (@jun_pt_book) May 19, 2022
中核市:人口20万人以上
人口だけじゃなくて、都市としての規模や機能など、一定の条件を満たした都市が「中核市」として指定される。
中核市が担っている業務は、
- 保健衛生に関する事務。
- 福祉に関する事務。
- 教育に関する事務。
- 環境に関する事務。
- まちづくりに関する事務。
に分かれており、その中に「保健所の設置」「飲食店営業等の許可」「保育所の設置の認可、監督」「養護老人ホームの設置の認可、監督」などがあります。どんな都市が中核市となっているかというと、東北地方では秋田市や青森市など、九州地方では鹿児島市や久留米市などです。ちなみに八王子市も中核市となっています。
政令指定都市には日本の人口の何割の人が住んでいる?
日本には20の政令指定都市がありますが、その居住人口はなんと日本の人口の約20%(約2割)をしめています。そのため、問題がないとはいえません。政令指定都市は、基礎自治体として福祉やまちづくり、ごみ処理、義務教育、消防などの住民生活に密着した行政サービスなどを提供しています。また、観光振興や国際会議の開催したりして、都市圏全体の活性化や発展のために努力する役割もあります。しかし人口や都市機能が集中しているため、環境や安全安心の問題などが発生しているのです。今後も人口減少や少子化、高齢化の問題は大きくなっていくでしょう。しかし、政令指定都市は都市行政の最先端として他の都市を導く役割があるのです。政令指定都市には政令指定都市の問題もありますが、他の都市のリーダーとしてやっていってほしいですよね。
まとめ
政令指定都市は東京都内にはありませんでした。そのかわり、東京都23区は特別区でした。また政令指定都市になると行政手続きの窓口が増えるなどのメリットがありました。全国には20の政令指定都市がありますが、そこに居住する人口の割合約2割でした。