ノーベル化学賞、日本人の受賞、おめでたいですね!
2019年のノーベル化学賞の受賞はお三方いらっしゃるのですが、そのうちのお一人が旭化成の名誉フェロー・吉野彰さんとなりました。
おめでとうございます!
リチウムイオンの開発への努力や経歴、出身高校・大学院などの学歴、
そして気になるノーベル賞の賞金について、調べてみたいと思います!
プロフィール
吉野 彰(よしの あきら)
生年月日:1948年1月30日
年齢:72歳(2020年03月現在)
出身:大阪府吹田市
専門分野:電気化学、量子有機化学
【☆SDGs×ノーベル化学賞☆】#ノーベル化学賞 に「リチウムイオン電池」開発の #吉野彰 さん❗️おめでとうございます!🏆🎌
— 外務省✕SDGs (@SDGs_MOFA_JAPAN) October 9, 2019
吉野さんの胸には #SDGsバッジ が輝いています!😀#SDGs のゴール9は社会課題解決のための #イノベーション の重要性を謳っています。https://t.co/SFgJMM18yJ pic.twitter.com/KnX3iT8HVt
現職:旭化成名誉フェロー、九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター訪問教授
職歴
1972年4月、旭化成(株)(旧旭化成工業(株))に入社。研究開発部に所属。
1982年、旭化成の川崎技術研究所第一研究室所属。
1992年にはイオン二次電池事業推進部商品開発グループのグループ長になりました。
1994年、92年に東芝と旭化成の共同出資で設立されたリチウムイオン二次電池の開発・製造・販売を行う会社「(株)エイ・ティーバッテリー」の技術開発担当部長に就任。
1997年には旭化成に戻り、イオン二次電池事業推進室の室長に就任。
2001年、電池材料事業開発室室長、2003年には旭化成フェローに就任。
2005年8月 旭化成(株)吉野研究室室長に就任。
2010年、技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)の理事長に就任。
2015年、九州大学エネルギー基盤技術国際教育研究センター客員教授に就任。
2017年、名城大学大学院理工学研究科の教授に就任。
2019年、九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター訪問教授に就任。
2019年10月、ノーベル化学賞を受賞。
(その時のニュースの様子はこちら↓)
主な受賞歴
1999年3月、「化学技術賞(リチウムイオン二次電池の開発の功績)」(日本化学会)
同年、「Technical Award of Battery Division(Pioneering work on lithium ion battery technologyの功績)」(米国電気化学会)
2001年、「市村産業賞功績賞(リチウムイオン二次電池の開発と製品化の功績)」(財)新技術開発財団(市村財団)
2001年、「関東地方発明表彰文部科学大臣発明奨励賞」((社)発明協会)
2002年、「全国発明表彰文部科学大臣発明賞」((社)発明協会)
2003年、「文部科学大臣賞科学技術功労者」(文部科学省)
2004年、「紫綬褒章」授章 (日本国政府)
2011年、山崎貞一賞(財団法人材料科学技術振興財団)
同年、「C&C賞」(公益財団法人NEC C&C財団より)
2012年、「 IEEE Medal for Environmental and Safety Technologies」(米国IEEE)
2013年、「グローバルエネルギー賞」(ロシア)
同年、「加藤記念賞」
2014年、「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」(全米技術アカデミー)
2018年、「日本国際賞」(国際科学技術財団)
同年、「中日文化賞」
2019年、「欧州発明家賞 非欧州部門」 (欧州特許庁)
同年10月、ノーベル化学賞(スウェーデン王立科学アカデミー)
学歴(出身高校・大学・大学院)は?
調べてみると、高校は「大阪府立北野高校」の出身でした。
こちらは大阪市淀川区にある公立(府立)の高校なのですが、毎年京都大学へは60名ほどと多くの生徒が進学し、これは大阪府内ではトップ、全国でも2位という府内のトップ校です。
偏差値は76もあります。
関西でもっとも難関と言われる灘高校の偏差値が79ですから、北野高校の凄さがわかるかと思います。
北野高校出身の有名人は、元大阪府知事で弁護士・タレントの「橋下徹」さん、評論家の「山田五郎」さん、漫画家の「手塚治虫」さん、アナウンサーの「有働由美子」さんなどがいらっしゃいました。
頭がきれる方ばかりです。いやーすごいメンバー!
同じ卒業生の方々も、同じ高校出身の方がノーベル賞を受賞したとあれば、とても嬉しいんじゃないかと思います。
そして吉野彰さん、大学は、1970年に「京都大学工学部石油化学科」を卒業されていました。
その後は、そのまま京都大学の大学院の修士課程(京都大学大学院工学研究科石油化学専攻修士課程)に進学されています。
そして2年後に修士課程を修了し、旭化成工業株式会社(現在の旭化成株式会社)に入社していますので、博士課程には進まずに、就職していました。
博士は、「論文博士」といって、大学院の博士課程に所属して日々学生として研究をせずとも、研究機関で働きながら、研究業績がいくつか出た場合には、博士論文を作って、今までの業績(論文)を数報添えて、取得したい大学に提出し、審査を受けるという方法で、博士を取得していました。
その時に提出した大学は、「大阪大学」。
博士論文のテーマは、「リチウムイオン二次電池と高出力型蓄電デバイスに関する研究」
そして2005年に、工学博士号の取得となりました。
研究開発への努力が凄い!
リチウムイオン電池の研究を始めた1980年代は、まだまだ、その実現性が確かではありませんでした。
ノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰先生が壁はあったと、人はそれぞれその人に見合った壁はあると思う。
— スーさん (@naosan1112) October 10, 2019
壁を超えた人にも、超えられなかった人にもまだその先の道はあるけど、なんとか壁があるのならその壁を乗り切ろうと努力はしたいものである!
その二次電池の実用化を信じて、研究を続けました。たくさんの壁を乗り越える努力も大変なものだったでしょう。
また、実用化以外にも、リチウムイオン電池の安全性に対する研究も困難でした。
リチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞した吉野彰さん。衆議院で受賞をお祝いする行事が行われました。
— 塩川鉄也 (@ShiokawaTetsuya) March 23, 2020
吉野彰さんは「受賞理由となったサスティナブル社会実現のために今後とも努力していきたい。エネルギーの地産地消に貢献したい」と語りました。 pic.twitter.com/GHVyv3xIt7
まだまだ、研究開発のために努力を続けています。
ノーベル賞の賞金ってどの位なの?
ノーベル賞を受賞すると一夜にしてとんでもない有名人になって、その後は取材などで毎日が超ハードになります。
The 2019 #NobelPrize in Chemistry has been awarded to John B. Goodenough, M. Stanley Whittingham and Akira Yoshino “for the development of lithium-ion batteries.” pic.twitter.com/LUKTeFhUbg
— The Nobel Prize (@NobelPrize) October 9, 2019
それだけ名誉な賞だということですよね!
でも、名誉ではあっても、田中耕一さんや山中先生のように、その後しばらくは研究ができなくなってしまうほどハードな日々。
吉野彰さんも今回の受賞でお身体を崩されないことを祈るばかりです。
そして気になるのは、ちょっと下世話になりますが、受賞すると、どれだけの賞金をもらえるの?ということ。
実は、ノーベル賞の賞金は決まっています。
その額は、部門ごとに、
900万スウェーデンクローナ(およそ95万ドル)
です。
95万ドルは、今日現在107.36円で計算すると、、、、、
約1億200万円
です。
年によっては日本円に換算すると1億2500万円くらいになっている年もあります。
これは1名あたりではなく、化学賞に対する賞金ですので、今回2019年の化学賞を受賞されたのは吉野彰さんを含め3名ですので、その3名で折半することになります。
取り分ですが、その時によって割合は異なります。
主に、研究の功績に比例して割合が決まります。
たとえば、今回のリチウムイオン電池の開発に関してもっとも貢献度が高いと判断された人は、1億円の半分の5000万円をもらい、後の2人で残りの5000万円を半分こする(つまり一人2500万円)となるわけです。
2019年の化学賞に関して、どのくらいの割合で分配されるのかについては、現時点ではまだわかっていません。わかり次第追記しますね。
追記 2019.10.11
3人で均等に分けることになったようですね。
吉野彰さんは賞金として、約3300万円が贈られるそうですが、その一部は研究者支援の為に日本化学会に寄付することを発表しています。
そんなところにもお人柄が。素敵な方ですね。
それにしても、一人あたり多くても5000万円。
賞金額としては決して高くはないですよね。
それ以上に、お金では買えない「名誉」という価値があるのが、ノーベル賞、ということじゃないかなと思います。
ちなみにノーベル賞は財源はもともと、ダイナマイトを開発した「アルフレッド・ノーベル」が残した資産が元。
それを100年以上もの間、資産運用によって財源を確保しているんですよ。
毎年ノーベル賞に全6部門(物理学賞、文学賞、平和賞など)合わせて、約6〜7億円を払ってもそれを十分に賄えるほどの運用をしていて、半分が株式、30%がオルタナティブ(株や債券以外のヘッジファンド)だそうです。
すごいですね。
まとめ
そしてこれからも、名誉ある賞を続けていくためにも、ノーベル財団には資産運用を頑張っていただかなくてはなりませんね!
そして今回の吉野彰さんのノーベル賞受賞を一つのきっかけとして、これからの日本の科学技術も、より一層発展してほしいと思います!
吉野彰先生、おめでとうございました!