とうとう令和になりましたね〜。昨夜はテレビを見ていましたが、年末のようななんだか落ち着かない気分でした。ただ、「新しい時代の幕開け」ということで、老若男女が希望に満ち溢れ、新たに「頑張ろう!またよろしく!」という雰囲気になれるのは、とってもいいことなんじゃないかなと思いましたよ。で、やっぱり一生に一度かもしれないしと「剣璽等承継の儀」もテレビで拝見しましたです。なにやら剣と玉?が入っているという箱を持ってきて、板の上に置いて。そしてそのまま・・・あれっ、開けずに持って行っちゃった。笑。旦那も「アレッ、見せてくれないの!?」と一言。儀式が終わった後、気になったので調べてみたところ、三種の神器には驚きの秘密が隠されていることがわかりました。三種の神器について、ざっくりとご紹介しますね♪
三種の神器とは
「三種の神器」と聞いて、「冷蔵庫、白黒テレビ、洗濯機」を思い出した人は私だけではないはず!笑。1950年後半当時の”豊かさの象徴”として言われていたわけですけども。その後の60年代の高度成長期には三種の神器は「カラーテレビ、自家用車、クーラー」となり。平成も終わってしまった中、いきなり超ド級の昭和ネタですみません!笑。余談が長くなりましたが・・・・。今朝行われた天皇の即位の儀式の1つ、「剣璽等承継の儀」で注目された「三種の神器」について簡単にご紹介したいと思います。
第126代今上陛下が即位(践祚)されました。#剣璽等承継の儀 pic.twitter.com/Zyh3BxGbsB
— 寺井 半兵衛 (@historyTeraiHan) May 1, 2019
実際にこちらの儀では、三種の神器のうち、剣と勾玉のみ渡御され、それらに加えて国璽と御璽(いずれもいわゆるハンコ)が渡御されました。(wikipediaによると、鏡は”宮中三殿の賢所の神体であるため、この儀式では動かない”とされています)。いずれにしても、三種の神器についてとても気になったので、三種の神器について調べてみたいと思います!どれも日本神話と深い繋がりがあるんですよ。
鏡・・・「八咫鏡(やたのかがみ)」
今朝の儀式で見た2つの大きい箱のうち、四角い方にこの「八咫鏡」が入っていたのだと思われます。この鏡の由来は、天照大御神(アマテラスオオミカミ)に関係しているんです。天照大御神の話を知っている方がどれだけいるかわかりませんが、太陽の神・アマテラス(女性)、といえばイメージしやすいでしょうか。
天照大御神のイメージはこちら。
まず、アマテラスにはスサノオノミコトという弟がいるのですが、この弟が自由奔放、やりたい放題のしっちゃかめっちゃか。しばしば悪さをするんです。アマテラスは姉としてずっと弟の悪事を庇ってきていましたが、ある悪事をきっかけにとうとう責任を取りきれず、アマテラスは姉として申し訳ない気持ちで「天岩戸」に引きこもってしまいます。太陽の神様なので、引きこもったら、当然世の中は真っ暗に。困った神々が相談して、アマテラスを天岩戸から引っ張り出すことを企てます。鏡を作って用意し、アマテラスが引きこもっている天岩戸のすぐ近くで神々が踊ったり笑ったりの大宴会!アマテラスが「なんで外は楽しそうなの?」と外を覗いたその時、アマノウズメという神様が「あなたより素晴らしい神様がおいでですよ」とアマテラスにその鏡を差し出します。そこに映る自分の輝く姿に思わず見とれるアマテラス。その隙に、別の神様が扉を開けてアマテラスを引っ張り出し、無事に太陽が戻った、というお話でした。これが、「天岩戸隠れ事件」と言われているそうですが、ここで神様に作られ活躍した鏡が、天皇家代々のお宝である「八咫鏡(やたのかがみ)」だと言われているのだそうです。背景がわかると、グンと面白くなってきますね!そしてこのやりたい放題の弟は、またのちに登場します。笑。ちなみに、アマテラスは三重の伊勢神宮に祀られているそうで、この八咫鏡も実物は伊勢神宮にあるのだそうです。
剣・・・「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」
こちらの剣は、「草薙剣」と言われているそうですが、こちらは先ほど出てきた、アマテラスのしっちゃかめっちゃかの弟、スサノオノミコト(スサノオ)に関係していました。もしかしたらスサノオの名前だけでピン!と来たママさんも多いかもしれませんね!私もスサノオは知っています!そうです!ヤマタノオロチを退治する、あのスサノオですね!小児科に置いてあるヤマタノオロチの本を息子が好きで、なんども読んだので覚えていました。
スサノオのイメージはこちら。
散々お姉さんを困らせたスサノオですが、「天岩戸隠れ事件」ののち、神様の世界から人間のいる地上へと追放されています。そしてスサノオは島根の出雲の国で、ある老夫婦に出会い、7人の娘たちが毎年一人ずつヤマタノオロチ(頭と尻尾が8つある大蛇のような怪物)に食べられてきたことを知ります。そして最後の8人目の娘もいよいよヤマタノオロチに食べられてしまうのでは、と悲しむ老夫婦に「ヤマタノオロチを退治したら娘を私にください」といい、スサノオはヤマタノオロチと戦うことにしたのです。8つの酒をスサノオの指定通りに老夫婦が用意すると、出てきたヤマタノオロチは8つの頭で8つの酒をガブガブ。酔っ払ってグーグー寝たところを、スサノオが刀で退治!笑。そしてヤマタノオロチの体をスサノオが切り刻んでいると、尻尾の部分から硬いものを発見。何だろうと取り出してみると、剣が出てきます。この剣は「天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)」で、不思議に思ったスサノオはのちに姉のアマテラスにこの剣を献上した、と言われています。スサノオは娘と結婚し、めでたしめでたしという話なのですが、一方、この天叢雲剣は、のちに日本の英雄「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」が騙されて野原で焼き殺されそうになった時に剣で周りの草を薙ぎ倒して助かったことから、「草薙剣」となった、と言われています。(そもそも天叢雲剣と草薙剣は別物!という説もあり、剣の歴史については諸説あるようです)。現在、草薙剣の実物は、名古屋の熱田神宮に祀られているそうです。
勾玉・・・「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」
実はこの八尺瓊勾玉も、先ほどのアマテラスの「天岩戸隠れ事件」の時に、鏡と一緒に神様によって作られたものなんです。そしてのちにアマテラスのお守りとして大切にされてきた物なのだそうです。のちに、アマテラスの孫である「ニニギノミコト」が地上を治めるために、三種の神器をアマテラスから受け取って、地上に降臨します。
ニニギノミコトのイメージはこちら。
これが、天皇家の祖先(皇孫)である神様が地上へ降りる「天孫降臨」です。ですから、この三種の神器は、天皇家の宝物、というわけなんですね!私も詳しいわけではないので間違った記述があるかもしれませんが、どうしてこのような物が現代の天皇家の宝として大切にされているのか、という流れはお分かりいただけたのではないでしょうか!令和を迎え、めちゃめちゃ重要な物を受け渡す儀式を見てからだと、なんだか感激もひとしお!という感じですね。ちなみに八咫鏡と草薙剣は、本物はそれぞれ伊勢と熱田神宮に祀られているため、同じように神の力をもつ形代(かたしろ:レプリカ)が作られています。八尺瓊勾玉は本物しかないそうです。八咫鏡の形代は、皇居・宮中三殿の賢所、そして草薙剣の形代と八尺瓊勾玉は、皇居内の御所・剣璽の間に保管されているそうです。形代があるくらい、とっても重要なものということなんですね〜。
天皇でさえも見ることが許されていなかった!
そして今朝の儀式の中でも、三種の神器はそれぞれ箱に入ったまま運ばれてきて、そのまま戻っていって、中身を確認したりすることもなかったですよね。すごく貴重なもの、というのはよく分かったのですが、それでも何十年に一度の厳かな儀式ですし、ちょっとは中身を見たりしてもいいんじゃない?と思ったのは、私だけではないはずです。(実際、旦那も、「あれ?見れないの?」と言っていましたしw)。調べてみると、なんと、中身は決して誰も見てはいけない、ということになっているのだそうですよ!しかも天皇でさえも!江戸時代に熱田神社の宮司が剣を盗み見るとのちに病気になったり、平安時代の天皇が見ようとして箱を開けると、中からモクモクと白い煙が出てきて慌てて閉めた、なんていう話も伝えられているくらいですので、だいぶ昔の時代から「見てはいけない」が伝承されてきているみたいですね。
でも気になるその中身!画像はないの?
それでも気になるその中身。笑。しつこいですけどね、画像はないか調べてみました。イメージではあるんですけどね、本物は?
#三種の神器
— はる@気の向くまま (@kinomuku77) April 30, 2019
八咫鏡-ヤタノカガミ
本物は伊勢神宮内宮/形代は皇居賢所
八尺瓊勾玉-ヤサカニノマガタマ
本物は皇居御所剣璽の間
草薙の剣-クサナギノツルギ
本物は熱田神宮/形代は皇居御所剣璽の間 pic.twitter.com/ugvkjg1WTb
(こちらの画像を含め、三種の神器が紹介されている画像は”このようなもの”として紹介されているだけで、実物ではありません。あくまでイメージとして見てくださいね)。本物の画像・・・・・やっぱりないです!笑。そもそも箱が映されること自体もとても珍しいことですし、ましてや中身はみてはならない物ですからね。万が一、中身の画像があったとしても、撮影した人や見た人に不幸が訪れるようなことになっても嫌なので、このくらいでご容赦ください。剣と匂玉を移動させている貴重な動画を代わりにご覧いただければと思います。
とはいえ、中身に関する情報がないわけではないので、まとめておきたいと思います。
八咫鏡(イメージ画像はこちら)
- 大型の青銅鏡?
- もともとは直径46cmくらい?
- イメージは「大型内行花文鏡」に近い?
何故か #福岡市 がトレンド入りしているようですが、まさか福岡市の発掘調査を紹介する当館企画展、「ふくおか発掘図鑑」がついに脚光を浴びているのでしょうか…?#福岡市博物館 #内行花文鏡 #硯 pic.twitter.com/Ox1wqJ9xIe
— 福岡市博物館 (@fukuokaC_museum) March 15, 2018
草薙剣(イメージ画像はこちら)
- 全体的に白っぽくて、真ん中が分厚い?
- 長さは81~84cmくらい?
八尺瓊勾玉(イメージ画像はこちら)
- 大きな翡翠(ひすい)で造られた緑の一つ玉?あるいは瑪瑙(めのう)でできている赤い一つ玉?
- 八尺もある大きなもの?あるいは八尺もの長い尾をもつ?
いかがでしょうか。今後も中身について明らかになることはないと思われますが、どれもとても神秘的なで厳か。そんな貴重な物を(たとえ一部でも!たとえ箱だけだとしても!)今日、見れたんだなと思うと、やっぱり歴史的にもとっても重要な一日だったんだなーと思います。
まとめ
天皇の一連の儀式をテレビで見ていて、赤坂御所から車を全てストップさせて皇居まで皇后さまが移動される様子を見ながら、「こんな東京のど真ん中に緑豊かな広大な敷地があってそこに住んでいる日本の”象徴”って、不思議な国だなぁ」と思いました。そしてそこに登場した三種の神器の剣と勾玉。世界にもギリシャ神話や北欧神話、インド神話などありますが、日本神話も改めて知ると、歴史とも交わる点が多く、興味が湧きました。三種の神器の実物については今後も謎に包まれたままであることは間違い無さそうですが、そこがまた神様が作られたもの、という価値を高めているのかもしれませんね!そしてこういうことは、外国の方に聞かれたとしても、ざっくりでもいいから説明できるようになっておきたいな、と思いました!