簡単に飼い始めることができる淡水魚として人気があり魅力的なメダカ。それは多くの人に愛されており、室内や屋外で飼う人、水槽レイアウトを楽しむ人、繁殖に挑戦する人など、人によって大きく異なります。近年はこうしたスタイルの多様化にともない、様々な飼育用品が売られるようにもなりました。
また、メダカが快適にストレスなく過ごすためには、こまめに掃除して綺麗な水質を保つ努力が必要です。
この記事では、そんなメダカの飼育用品をご紹介します。初めて育てようと考えている方は必見です!好みのスタイルにあったものを探してみてください。
1.飼育容器
メダカを飼うための容器は多くのタイプに分かれます。ここでは水槽、グラスアクアリウム用ガラス容器、プラスチックケース、陶器製メダカ鉢、発泡スチロール製メダカ鉢、その他の容器の6項目に分けて飼育容器の紹介をします。
①水槽
オーソドックスな水槽はメダカを横から観賞するのに適しています。従来のシンプルなものだけではなく、水替えがしやすいしかけがついたアイデア水槽、背面をブラックにしメダカを綺麗に見せるよう作られた観賞特化型など、様々なタイプのものが商品化されているため、飼育者の目的に合わせて選ぶことも可能。
水槽は割れる危険性や温度変化が少ない室内での使用に向いていますが、まれに屋外にガラス製の水槽をおいている人も見かけます。
メダカ1匹につき1リットルが水量の目安。水は多い方が水質の維持がしやすいためメダカ飼育の初心者は30×30cm以上の大きさの水槽で10匹ほどのメダカを入れるといいです。
②グラスアクアリウム用ガラス容器
インテリアの一部としてオシャレに見せたい人は、グラスアクアリウム用のおしゃれなガラス容器を購入するのもいいでしょう。
水草でレイアウトされたガラス容器の中を泳ぐメダカはとっても綺麗です。ガラス製のメダカ鉢だけではなく、ボールのような形のもの、筒状のグラスなど形状も様々。陶器とガラスがあわさったインテリア水槽なんてものもあります。好みのものを選びましょう。
③プラスチックケース
軽くて手入れがしやすいのがプラスチックケース。割れやすいのが難点ですが、あると便利です。
水槽やメダカ鉢を使うという人も、水替えの時のメダカの避難場所や移動する時のためにプラスチックケースを一つ持っていてもいいかと思います。
④陶器製メダカ鉢
陶器でできたメダカ鉢での飼育も趣があります。外の温度からの変化も受けづらいので屋外飼育に適しており、土や石、植物を鉢に入れることで簡易的なビオトープを作ることもできます。和テイストのオブジェとしても存在感を発揮することでしょう。
⑤発泡スチロール製メダカ鉢
発泡スチロールは保温性に優れ、水温が変化しづらいため屋外での使用に向いています。また、発泡スチロールは軽いので手入れもしやすいです。通常の発泡スチロールでもメダカを飼うことは可能ですが、それだとあまり見栄えしません。見栄えを気にする人はメダカ専用に商品化された発泡スチロール製のメダカ鉢がオススメです。通常の発泡スチロールよりは少しオシャレに見えます。
⑥その他、バケツやペットボトルも使える
上記にあげた容器の他、バケツやペットボトルなどの簡易的な容器も使えます。しっかり飼いたいなら専用の水槽を用意してあげるべきですが、一時的な居場所としてこうした容器を利用するのもいいでしょう。
カルキ抜きをした水と底砂や水草があればメダカの飼育は可能です。特にペットボトルを使った簡易水槽はコンパクトさや制作の手軽さから、小学校の授業や自由研究でも利用されます。
2.底砂
容器の底に敷く砂です。装飾的な意味合いだけではなく、バクテリアによる水質浄化、水草の育成のためにも重要な役割を果たします。ここでは砂系の底床と土系の底床に分けて底砂を紹介します。
①砂系
粒が硬いため、長く使うことができるのが砂系の底砂。観賞目的に綺麗に色付けされた砂やクリスタルサンド、ミネラルの効果で水を綺麗に保つ麦飯石を使用した砂利など、メダカ飼育用に販売されている砂はバラエティに富みます。粒の大きさや色も様々です。
②土系
粒が柔らかい土系の底砂。砂系の底砂よりも使用期間が短く、1年に1回程度は交換が必要ですが、バクテリアを棲みつかせやすく水草の育成もしやすいことはメリットです。メダカ専用の土の他に、ソイルと呼ばれる栄養分を含んだ粒上の土も広く販売されています。こうした土やソイルの中にはバクテリア入りで汚れを分解する効果があるものもあり、水質保全に大きく役立ちます。メダカ専用の土以外ではローコストで使える園芸用の赤玉土もオススメです。
3.ろ過フィルター
水槽内の汚れを吸着させ水を綺麗に保つためのろ過フィルター。緩やかな水流を生み、水の中に酸素を取り込む効果もあります。
酸素の供給に関してはエアポンプと投げ込み式フィルターを使うのもいいです。
屋外飼育ではなくても大丈夫という声もありますが、室内での場合では必要になってきます。メダカの数が多く水質が悪化しやすい場合は特に必要です。
水槽の外に設置する外部ろ過装置や水槽内に設置する投げ込み式のろ過装置に分かれます。大きさや形状、メンテナンスのしやすさも商品によって異なります。
4.水草
メダカ飼育において水草はとても便利です。見た目が綺麗でレイアウトにも使えますが、環境を整えるために重要な役割を果たします。メダカの健康的な生育のために水草は必要不可欠な存在と言えます。
水草には水の中の余分な水分を吸収し、光合成によって酸素を生み出します。こうした力により水を浄化してくれるので水槽の中に入れると汚れを大分おさえることができるのです。その他、水草がメダカの隠れ家になってストレス軽減したり、メダカの非常食になったり、繁殖する時には卵を産み付ける産卵床にもなります。
水草を入れる時に注意すべきは日光があたっているかどうかです。日当たりのいい場所でメダカある場合はそれでいいのですが、そうでない場合は照明を設置し水草が光合成できるようにしなければいけません。照明については後の項目で紹介します。
5.エサ
メダカは雑食性です。プランクトンや小さな昆虫、水草などを食べるので、それらのものが水の中に混入するのであれば、それを食べて生きることはできます。しかし、自然のものだけでは栄養不足になってしまいます。飼育下では専用のフードを必ず与えるのがいいかと思います。
専用のフードにはがたくさんの種類があります。稚魚用、ヤング個体、成魚など成長段階に合わせたエサがあることはもちろんのこと、水の汚れをおさえるフード、繁殖や産卵のための栄養満点のフード、メダカを綺麗な体色にする色揚げ用フード、水に溶けづらく、長時間留守にする場合にも使える補給食など用途に合わせたフードも多いです。人工フード以外では糸ミミズ、赤虫、ミジンコといった生餌も販売されています。こうしたものを与えるのもいいでしょう。
好き嫌いもエサ食いに関係することがあるかと思うので、何種類か買っておくと安心です。
餌を入れすぎると、水質が悪化します。貝を一緒に入れておくと余った餌を食べてくれて、水がきれいになります。
6.レイアウト用品
環境を綺麗に見せるためにはレイアウト用品も欠かせません。
水草、コケなどの植物、石、流木といった自然物は装飾的な用途だけでなく、メダカの隠れ家にもなります。長持ちがして綺麗な人工の水草もいいでしょう。置物を入れてみても可愛いかもしれません。より凝ったレイアウトにしたい人は、大きめの水槽を用意し中に陸地を作り、アクアテラリウムをしてみるのも楽しいかと思います。
レイアウトの工夫はメダカを色揚げする上でも大きな意味があります。メダカは飼育環境によって体色を変化させる生き物ですので、レイアウト用品の選び方次第では理想に近い体色の表現を作り出すことも可能です。
7.産卵用品
繁殖に挑戦したい方は産卵用品も買う必要があります。ここでは産卵床と稚魚育成用ネットをご紹介します。
①産卵床
繁殖にはメダカが卵を産み付けるための産卵床が必須。通常の水草も産卵床になり得ますが、より卵を産み付けやすいよう開発された人工の産卵床もあります。
②稚魚育成用ネット
孵化したての稚魚は他のメダカにいじめられたり、食べられたり、エサをとられたりしてしまうため死亡率が高いです。そのため、ある程度の大きさに成長するまでは隔離して育てなければいけません。稚魚の隔離のためには育成ネットや育成メッシュといった商品があります。容器に固定するタイプと水に浮かせるタイプがあります。
また、稚魚や卵を隔離するための小型クリアケースもあります。そうしたものを使い別のケースに分けて育てるのもいいでしょう。
8.網
容器をメンテナンスする時、移動する時などに必要なのがメダカをすくうための網です。
柄の長さが調整できるもの、稚魚を傷つけないよう設計されたやわらかいものなど色々なものが売られています。
捕まえやすさを追求したメダカ専用の網のことをタモといいます。
また、メダカをすくうネットとは別に、ゴミ取り用のネットも販売されています。
9.照明器具
太陽光が必要です。日光はメダカの体内時計調整に役立ったり、ビタミンの生成に役立ったり、病気の原因になる細菌を殺してくれる力があります。水草の育成にも太陽光は必要です。メダカの色揚げにも重要な要素になります。日当たりのいい屋外の場合は不要ですが、室内や日陰で飼育する際は照明を準備し太陽光の代わりとしましょう。
最近の主流はLEDライト。LEDライトはコストがあまり高くなりません。アクアリウムとして水槽レイアウトを美しく見せるためには特にLEDライトが必須です。水槽に設置しやすいLEDアクアリウムランプや植物育成に特化したLEDライトもあります。
10.ヒーター
水槽に入れるヒーターです。メダカを飼育する際の適温は25~28℃です。これを保つことでメダカが元気に活動することができます。
冬場で水温が下がる場合はヒーターを入れて低くならないようにしましょう。カバーが付いたアクアリウム用のヒーターがメダカの体を傷付けず安全です。
より正確に水温をコントロールしたい人はヒーターといっしょにサーモスタットを使ってもいいかと思います。ヒーターは基本的に水を温めることしかできないため、正確なコントロールができません。しかし、サーモスタットをセットすれば一定の温度以上になった時にヒーターの電源が自動的にオフになります。これを上手く使えば思い通りの水温を保つことができるのです。
11.清掃用具
ゴミを取り除き、水質を綺麗に保つための清掃用具も準備するといいでしょう。
ゴミ取り用のネットの他、容器を洗うためのスポンジもあるといいです。ガラス製の水槽でメダカを飼育している場合はガラスクリーナーも便利。磁石を利用したガラスクリーナーだとガラスについたコケや汚れを手軽に取り除くことができ便利です。
水の入れ替えに使うスポイトやポンプもあると便利です。
餌を入れすぎると、食べ残して、余った餌が沈殿します。それは濁りの原因となります。そうして水が白濁したときは交換しましょう。ソイルの中にも沈殿しているので、スポイトやポンプでソイルも掃除する必要があります。飼育水が薄い緑色で鮮やかなグリーンウォーターであればいいのですが、その緑色が暗く濃くなって濁ってきたら、交換のタイミングです。
出典:メダカの水槽の水換えの方法。その頻度やタイミングは?状態を見て!環境の変化を少なく
水質を綺麗に保つために、水が濁ったりしたときには、こまめに掃除や水替えをする努力は怠らないようにしましょう。
12.その他、こんなものもあります
①初心者用飼育セット
メダカ用品は本当に色々なものがあり、これからはじめるには何を買えばいいのかわからなくなるかもしれません。そうした場合は初心者向きの飼育セットを買いましょう。セットには最低限必要なものが一通りそろっています。セットを使って始め、なれてきた頃に必要に応じて別のアイテムを買うようにするのも一つの方法です。セットに含まれる水槽はコンパクトなものが多く、初心者でも手軽に育てることができることがメリットです。
メダカの飼育セットは色々なメーカーが商品化しています。オーソドックスな角形のものだけでなく、丸型のもの、太鼓鉢など形が可愛いおしゃれな水槽もあります。セット内容もものによって異なり、水草、バクテリア剤、中には情報が載った本が含まれるものもあります。好みのセットを探し出し購入しましょう。
②メダカに関する書籍
様々な書籍が発売されています。これらの本は単純に飼育方法を紹介するだけのものではなく、多種多様な改良メダカや飼育スタイル、水槽レイアウトの仕方など、メダカを様々な角度から紹介する内容のものがあります。書籍の購入は必須ではないのですが、より楽しみたい人は書籍から情報を得るのもいいでしょう。
まとめ
水槽やフィルター、餌、水草、ヒーター、ライト、掃除道具などについて説明してきました。専門書も読んで勉強しておくとよいです。こまめな掃除など努力も必要です。
可愛いメダカたちがストレスなく落ち着いた環境で過ごせるように、アクアリウムや水槽を準備してあげたいですね。